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予防接種は、大切なお子さんを重大な病気から守るために欠かせません。当院では、国が接種を義務づけているワクチンから任意で接種するワクチンまで幅広く取り扱っております。また、不明点や疑問点にもお答えしておりますので、お子さんの予防接種に関することはお気軽にご質問ください。
Hib(ヒブ)ワクチンは、インフルエンザ菌b型によるHib感染症の予防効果が期待できるワクチンです。接種するとインフルエンザ菌b型に対する抗体が作られることで感染しにくくなります。
Hib感染症は、インフルエンザ菌b型に感染することで、中耳炎や肺炎、喉頭蓋炎(こうとうがいえん)などが起きる病気です。重症化すると、難聴や四肢の麻痺、呼吸困難などが起こり、死亡する場合もあります。
Hibワクチンを接種すると、ほぼ100%の確率でHib感染症の重症化を防げます。1回の接種では十分な量の抗体を作ることができないため、乳児期に合計3回の接種が必要です。
当院では、生後2か月~4か月にかけて月1回、1歳の早期に追加1回の接種を推奨しております。2回目と3回目の接種は、前回から4~8週間の間隔を設ける必要があります。その後、ワクチンの効果は少しずつ失われるため、3回目の接種から約1年後の1歳早期に4回目の接種を行いますので、忘れずにご来院ください。
Hibワクチンの副反応は、接種部位の赤みや腫れ、痛みなどです。多くは24時間以内に消失する他、発熱のような全身性の副反応が現れることは稀ですので、安全性が高いワクチンと言えます。
小児肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌感染症による小児の重篤化を防ぐことを目的に接種するワクチンです。
小児肺炎球菌感染症とは、主に5歳未満で発症する肺炎球菌感染による病気です。重症化すると、肺炎や中耳炎、髄膜炎、敗血症、菌血症などを発症し、重篤な状態に陥る場合があります。特に、髄膜炎を発症した場合は、2%が死亡し、10%に難聴や四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症が残ると言われています。
発症と重症化のリスクが高いのは、月齢が小さいお子さんです。
ワクチン接種により、重篤な小児肺炎球菌感染症にかかるリスクが95%以上も低下したとの報告があります。
小児肺炎球菌ワクチンは、合計4回の接種を行います。生後2か月~7か月までに1回、27日以上の間隔を空けて2回目と3回目を接種します。そして、60日以上の間隔を空けて4回目の接種を受ければ完了です。
小児肺炎球菌ワクチンの副反応は、注射部位の赤みや腫れ、痛み、食欲減退、発熱、惰眠などです。また、稀に嘔吐や気管支けいれん、蕁麻疹のような発疹などが現れます。
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎の発症リスクを抑えることが期待できるワクチンです。
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染し、生涯にわたり感染が持続する慢性肝炎か、一過性の急性肝炎のどちらかを発症した状態です。B型慢性肝炎を発症しやすいのは、3歳未満の乳幼児期および出産時に感染したケースです。
B型肝炎ワクチンを40歳までに接種すると、95%の確率で抗体を獲得できるとの報告があります。一方、ワクチンを接種しても、体質や体調によっては十分な量の抗体が作られません。抗体が十分に作られた場合の予防効果は、3回目の接種後20年以上続くと言われています。
B型肝炎ワクチンの接種スケジュールは、1回目が生後2か月、2回目が生後3か月、3回目が生後8か月~1歳未満です。
B型肝炎ワクチンの副反応は、注射部位の赤みや腫れ、痛み、かゆみ、熱感、発熱、倦怠感、手の脱力感などです。また、非常に稀にアナフィラキシー、多発性硬化症、視神経炎、末梢神経障害などが起こるとの報告があります。
ヒトロタウイルスワクチンは、ロタウイルス感染症に伴う胃腸炎を予防するワクチンです。
ロタウイルス感染症とは、急性重症胃腸炎の主な原因のロタウイルスに感染し、下痢や嘔吐、重い脱水症状などが起きる病気です。発熱や腹部の不快感、痙攣、肝機能障害、脳症、心筋炎などが起こり、死亡するケースもあります。
ワクチンの接種により、ロタウイルス感染症に伴う胃腸炎で入院する患者を約70~90%減少できます。
ワクチンの1回目の接種は生後2か月~生後3か月半すぎ(生後14週6日)までに行い、2回目以降は27日以上の間隔を空ける必要があります。
ヒトロタウイルスワクチンの警戒すべき副反応は、非常ににまれですが腸重積症です。腸重積症とは、腸の一部が腸管にはまり込み、腸の血流が悪くなることで壊死する病気です。ワクチンの接種から1~2週間に発症するリスクが高いとの報告があります。突然激しく泣く、機嫌が悪くなるのと良くなるのを繰り返す、嘔吐や血便がある、顔色が悪くてぐったりしているなどの症状が1つでも見られた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
四種混合ワクチンとは、ジフテリアと破傷風、百日咳、ポリオの発症を予防するワクチンです。
ジフテリアは、ジフテリア菌に感染することで首のリンパ節の腫れや心不全などが現れる死亡率5~10%の病気です。
破傷風は、主に傷口から感染した破傷風菌により筋肉の硬直が起こる病気で、最終的に呼吸困難で死亡する恐れがあります。
百日咳は、百日咳菌に感染することで、激しい咳とヒューヒュー音が現れる病気です。呼吸困難によって死亡するケースがあります。
ポリオは、ポリオウイルスに感染することで麻痺が起こり、手足を動かせなくなったり呼吸ができなくなったりする病気です。
四種混合ワクチンで十分な抗体の量を獲得できる確率は100%との報告があります。ただし、ポリオ以外の病気に関しては、10年程度で予防効果が低下するため、必要に応じて追加接種を受けることが大切です。
四種混合ワクチンは合計4回接種します。1回目は生後3か月、その後は3~8週間の間隔を空けて2回接種し、さらに6か月以上(通常は12~18か月)空けて4回目の接種をすれば完了です。
四種混合ワクチンの副反応は、注射部位の赤みや腫れ、痛み、発熱などです。また、極めて稀にアナフィラキシーが起こります。
BCG(ビーシージー)は、結核菌に感染することによる結核を予防するワクチンです。
結核とは、肺で増えた結核菌が炎症を引き起こし、肺の組織を破壊する病気です。主な症状は咳や発熱で、進行すると倦怠感や息苦しさ、血が混ざった痰(たん)などが現れることもあります。最終的に呼吸困難を引き起こし、死亡するケースが少なくありません。
また、免疫機能が未発達な小さなお子さんは、結核菌が全身に広がる粟粒(ぞくりゅう)結核や、結核菌が脳や脊髄を包む髄膜に感染する結核性髄膜炎などを発症する恐れがあります。
BCGを受けることで、お子さんの結核性髄膜炎や粟粒結核などの重篤な症状を高確率で予防できます。
BCGの接種回数は生後1歳までに1回で、生後5か月~8か月に接種することが標準です。1回の接種で、はんこ型の注射を2回押します。
BCGの副反応は、接種部位の赤みやしこり、化膿などです。これらは通常の反応であるため、心配はありません。いずれかさぶたが作られて、最終的に元の状態に戻ります。ただし、接種の跡が大人になっても消えない場合もあります。
麻疹風疹混合ワクチンは、麻疹と風疹の発症を予防するワクチンです。
麻疹は、麻疹ウイルスに感染し、発熱や咳、鼻水、目の充血、目やにの他、口の中に白い発疹、全身の皮膚に赤い発疹などが現れる病気です。また、肺炎や中耳炎、脳炎などのほか、数年~10年程度経ってから亜急性硬化性全脳炎という極めて重篤な合併症を引き起こす場合があります。
風疹とは、風疹ウイルスに感染することで、発熱や赤い発疹、首の周りや耳の後ろのリンパ節に腫れが現れる病気です。妊娠20週頃までに風疹ウイルスに感染すると、胎児にも感染し、先天性風疹症候群を発症する恐れがあります。主な症状は、心臓病や白内障、難聴、発達の遅れなどです。
風疹麻疹混合ワクチンを接種すると、1回接種で95%以上、2回接種で99%以上の人が十分な量の抗体を獲得できます。極めて稀に、予防接種後に風疹、麻疹にかかる場合がありますが、未接種の場合と比べて症状は軽く、感染力も弱いため、重篤な状態に陥る心配はほとんどありません。
麻疹風疹混合ワクチンの接種回数は2回です。1歳になったらできるだけ早く1回目の接種を受け、2回目の接種は6歳になる年度の4月1日~3月31日の間に受けます。
麻疹風疹混合ワクチンの主な副反応は、接種後5~10日程度で現れる発熱です。38℃以上の高熱が出ると、稀に熱性痙攣が起こります。また、蕁麻疹や発疹の他、ごく稀にアナフィラキシーや血小板減少性紫斑病を認める場合があります。
水痘(すいとう)ワクチンは、水痘帯状疱疹ウイルスに感染して発症する水ぼうそうを予防するワクチンです。
水ぼうそうとは、水痘帯状疱疹ウイルスに感染することで、身体に発疹が現れる病気です。稀に、熱性痙攣や肺炎、気管支炎などの合併症が起こります。また、成人が水ぼうそうを発症すると、重症化するリスクが高いと言われています。
水痘ワクチンを接種することで、水ぼうそうに罹患しても軽くすることができます。ワクチンを2回接種することで、発症予防効果が期待できます。
1歳~3歳までに2回の接種を行います。1回目の接種は1歳~1歳6か月までの間に行い、2回目の接種は1回目の接種から3か月以上の間隔を空けて行います。
水痘ワクチンの副反応は、発疹や蕁麻疹、皮膚の赤みやかゆみ、注射部位の赤みや腫れ、発熱などです。
おたふくかぜワクチンは、ムンプスウイルスに感染することで発症するおたふくかぜを予防するワクチンです。
おたふくかぜは流行性耳下腺炎とも呼ばれ、耳下腺の膨張や高熱などが現れる病気です。ウイルスは神経組織や内分泌系腺組織へと広がり、髄膜炎や脳炎、難聴、膀胱炎、精巣炎、卵巣炎などを引き起こす場合があります。
おたふくかぜワクチンを接種した人の約95%に、十分な量の抗体の獲得が見られます。
通常は3~4年の間隔で2回受けます。
おたふくかぜワクチンの主な副反応は耳下腺炎です。また、難聴や脳炎、卵巣炎など、おたふくかぜの合併症と同様の症状が稀に現れます。
日本脳炎ワクチンは、日本脳炎ウイルスに感染することで発症する日本脳炎の発症を予防するワクチンです。
日本脳炎は、蚊を介して日本脳炎ウイルスに感染することで、高熱や頭痛、嘔吐、意識障害や神経系の障害が起きる病気です。発症した人の20~40%が亡くなると言われています。また、45~70%の人に精神障害などの後遺症が残るとされています。
日本脳炎のワクチンを接種すると、日本脳炎を発症するリスクを75~95%軽減できます。
日本脳炎ワクチンの接種回数は4回です。1回目と2回目は3歳、3回目は4歳、4回目は9〜12歳に受けます。
日本脳炎ワクチンの副反応は、発熱や咳、鼻水、注射部位の赤みなどです。稀に、アナフィラキシーや急性散在性脳脊髄炎、脳症などが現れます。
二種混合ワクチンは、ジフテリアと破傷風の予防効果が期待できるワクチンで、11~13歳未満のお子さんが接種します。
ジフテリアとは、ジフテリア菌に感染して首のリンパ節の腫れや心不全、呼吸困難などの症状が現れる病気です。5~10%の人が死亡するとの報告があります。
破傷風は、主に傷口から破傷風菌が入り込み、菌が出した毒素によって様々な神経が障害される病気です。口が開きづらい、顎が硬くなる、歩きづらいなどの症状から始まり、やがて全身の筋肉が硬くなって呼吸困難になります。
二種混合ワクチンを接種したほぼ全ての人が、ジフテリア菌と破傷風菌の予防に必要な量の抗体を獲得できます。
11~13歳未満の時期に、1回接種します。効果の持続期間は10~25年と言われているため、10年ごとに追加接種を受けることが大切です。
ワクチンの副反応は接種部位の赤みや腫れ、痛み、めまいや発熱、倦怠感、頭痛、関節痛などです。また、2回以上接種した人は、より強い副反応が現れる場合がありますが、数日で消失することがほとんどです。
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンです。
子宮頸がんとは、子宮下部にある管のような形をした子宮頸部に生じるがんのことです。発症しやすい年齢は20代から30代です。子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルスの感染であることが判明しており、子宮頸がんワクチンの接種で大部分の子宮頸がんを予防できるとされています。
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんを引き起こしやすいHPV16型と18型の感染を防ぐことで、子宮がんの50~70%の発症を予防できます。
2価ワクチンと4価ワクチンがあります。2価ワクチンは、中学1年生で1か月の間隔を空けて2回接種した後、1回目の接種から6か月の間隔を空けて追加1回接種します。4価ワクチンは1回目から2回目のワクチン接種の間隔が2か月です。1回目から6か月の間隔を空けて3回目を接種します。
子宮頸がんワクチンの副反応として、注射部位の赤みや腫れ、痛み、関節痛や頭痛、手足の痛み、リンパ節の炎症などが起こることがあります。稀に、アナフィラキシーや急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群が起こります。
ポリオワクチンは4種混合として定期接種で4回行いますが、小学校の入学前に5回目の接種が推奨されています。
ポリオとは、ポリオウイルスへの感染によって麻痺が起きて、手足の運動障害や呼吸困難などが起きる病気です。
ワクチンの効果時間の経過と共に低下します。5回目の接種を受けることで、ポリオの発症リスクを抑えられます。
小学校入学前に接種します。
ポリオワクチンの副反応は、注射部位の腫れやしこり、発熱などです。
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